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先日NHKの日曜美術館での特集を見たこともあり、東京都写真美術館で開催中の20世紀を代表するフォト・ドキュメンタリーの写真家、セバスチャン・サルガド展を駆けつけで観にいってきた。サルガドといえば、アフリカの国々で難民になった人々や生活に困窮する人々と共に過ごし、現在も起こり続けている惨状を生々しいリアルさで、その一方で驚くほどの美しさでフィルムに焼き付けてきたことで有名だが、写真に対する向き合い方、という意味でも非常に考えさせられた。 東京のある写真専門学校に毎年来日して、生徒達に写真の講演・指導をする姿がNHKの番組でも紹介されていたのだが、「写真がインフォメーション(情報)になってはいけない」「構図はビジョンそのものであり、4隅に徹底してこだわれ」「体は踏み込んでも心が(被写体に)もう一歩踏み込んでいない」などといった具体的で的確なアドバイスが、写真好きの端くれとしても非常に興味深かったのだ。 そういうわけで見にいった展覧会で彼の写真を見てみると、圧倒的なビジョンで光と影、ヒトや動物、自然などの運動物の織り成す一瞬の奇跡的な時間を、確信的に見出して永遠のものとして切り取った写真群に、頭をガツーンと殴られるような衝撃を受けてしまった。本当に1枚の写真にどれだけの時間と忍耐力と、偶然を掴み取る力をもって取り組んだのかが伝わってくる、写真に対する厳しさを感じる作品ばかりだ。右上の写真は、サルガドを一躍世界に認めさせた有名な作品だが、夜通し歩いて安全な場所を探し、朝の木陰で休息する難民たちを照らし出す木漏れ日の光が、なんとも神々しいほどの美しい時間と空気を画面に定着させている。 写真家として、ジャーナリズムと芸術の境目についてもいろいろな意見が実際にあるようだが(例えば、飢餓や病気で困窮する人々の決定的瞬間を写真に収める写真家は、そのとき彼らを助けようと思わないのだろうか?)、彼の撮った写真は、過度なやらせといったものからは程遠い自然さで、出来事を映し出す意味でも情報的な価値をはるかに超えた説得力で、そこにある時間を見るものに共有させ、不思議に心を動かす力を持っている。写真という表現手段においては、被写体自体のもっている強度がやはり決定的なのだろう。もちろん東京の日常の風景の中からでも、作り手のビジョンを切り取ることもできるのだろうが、彼はアフリカという場所で、圧倒的な強度をもったヒトや自然の存在する姿に魅了されたことが作品群からは伝わってくる。 写真を撮る、ということのビジョンやスタンスについても考えさせられ、個人的もとても刺激を受けた展覧会だった。
by keidd
| 2009-11-29 21:36
| 東京美術
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