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今週は、今や日本一忙しいといっても過言ではない脚本・演出家、ケラリーノ・サンドロヴィッチの翻訳戯曲初演出作、「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?」を観劇。
エドワード・オルビーの60年代の代表作であるこの舞台では、破綻した夫婦関係の40代夫婦(大竹しのぶ/段田安則)が、深夜の2時に、ディナーパーティー後の若い夫婦(稲垣吾郎/ともさかりえ)を自宅に迎えてさまざまな心理ゲームを繰り広げるのだが、シニカルな笑いがいつしか破綻した夫婦の劇的な緊張関係へと変容していく、久しぶりに見応えのある心理劇だ。 2月に見た「労働者M」もそうだったが、ケラリーノの演出作品は、毒々しく絶妙な会話と笑いの連続を楽しんでいるうちに日常と非日常の境が曖昧になり、いつの間にか不条理な事態の共犯者にされてしまうスリルが心地よい。まさに役柄にぴったりという配役の4人なのだが、奔放な妻のマーサを演じる大竹しのぶはもちろん、稲垣吾郎が味のある飄々とした演技で予想以上によかった。 恋愛や夫婦関係も、ある種の役割を演じるゲームのようなものかもしれないが、そのゲームの手段としての駆け引きや主導権争いがいつの間にか目的になり、ゲームが極限までエスカレートする中で、救いのない破綻関係が浮き彫りにされていく展開は残酷だがリアルだ。ただし、その夫婦関係は破綻していても他に逃げ道がないところも示されるわけだが・・・ 愛情関係は自然に維持されるものではなく、互いが尊重し、ギブ&テイクの献身的な行動で示していかないと少しずつすれ違いや誤解を生み出し、負の駆け引きに陥ってしまうことなど、個人的にはいろいろ考えさせられる舞台だった。
by keidd
| 2006-06-14 08:42
| 東京舞台
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