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今年も9月、誕生月であるとともに大好きなオペラ・シーズンがやってきた。連日のコンサートとなるが、昨夜は今年一番待ちわびた来日オペラのハイライト公演の一つ、チューリッヒ歌劇場による「椿姫」をオーチャードホールに観にいく。この日は台風もあったのでリスクを避けて仕事を完全に休み、ゆっくり準備をしながらオペラへの気持ちを盛り上げていく。
ヨーロッパ随一の実力と評価の高いチューリッヒ歌劇場の初来日公演であり、小澤征爾の後任としてウィーン国立歌劇場の音楽監督に決まったウェルザー=メスト指揮、椿姫=ヴィオレッタ役にエヴァ・メイ、ジョルジュ・ジェルモン役に重鎮レオ・ヌッチといった超豪華な布陣で、いやがうえにも期待が高まる。もう一つの「ばらの騎士」公演も、ヴェッセリーナ・カサロヴァはじめ、より玄人受けするキャストだったので迷ったのだが、女性をオペラ・デートに誘うには、やはり「プリティ・ウーマン」以来?の究極の切り札である「椿姫」ということで。 今日のオーチャード・ホールは来場客のドレスアップ度も一段と高く、特別な日のイベントを楽しもうという雰囲気がみなぎっている。座席も前から2列目と素晴らしい位置でドキドキ。目の前で演奏する楽団員たちの息遣いまで聞こえるぐらい。 さて、いよいよショータイムの始まり。第一幕の有名な悲しい序曲が奏でられると、一気に非日常的なオペラの世界の幕開けだ。ウェルザー=メスト指揮によるチューリッヒ歌劇場の演奏は、さすがに格の違いを感じさせる抜群の安定感で、ヴェルディの格調高い、そしてとろけるような甘い旋律をゆったり紡ぎだす。主演歌手の歌声とぴったり合わせた演奏のコントロールも絶妙で、素晴らしく完成度の高い舞台の音空間が生み出されていく。 また、日本でも人気の高いエヴァ・メイ、生の舞台を見るのは3度目だが、今日のヴィオレッタ役は最高のはまり役ではないだろうか。彼女の美貌や確かな技術はもちろん、ネトレプコなどの力強さとは異なる、可憐さと儚さ、透明感を兼ね備えた歌声が役柄にぴったりで、ヴィオレッタ役に強く感情移入させられてしまう。さらに第2幕から登場するレオ・ヌッチも渾身のバリトンを聞かせ、アルフレードの父としてヴィオレッタの気持ちを大きく揺さぶる役柄を見事に演じ、圧倒的な存在感を発揮していた。 おそらく、この「椿姫」(La Traviata)というオペラには、全ての女性の憧れや感情移入を抱かせる要素が含まれているのだろう。女性的な魅力で男を思いのままに惹きつけ、ゲームのような恋愛の快楽を享受しながら、どこかで純粋な愛情に心をときめかせるヴィオレッタの二面性。そして相手を思う大切な気持ちを守るため、理不尽な自己犠牲を受け入れる凛とした美しさと儚さ。 私はいつも、このオペラの第2幕で彼女がアルフレードの父の説得をあっさり?受け入れてしまうところが納得できなかったのだが、彼の言葉がヴィオレッタ自身の不安や自信のなさ、そして宿命を受け入れた生き方を選択する気持ちを代弁しているように聞こえ、彼女がアルフレードというよりも、自分自身の純粋な気持ちを守るために選んだ行動なのだ、と腑に落ちたような気がした。 それにしても今回の「椿姫」公演、期待に違わぬどころかはるかに超える夢のような舞台で、いつまでも終わってほしくない、官能的な時間があっという間に過ぎていった。最後のカーテン・コールでは、この語り草になるような舞台に立ち会えた興奮に満たされた観客が、総立ちで前に集まっての拍手喝采がいつまでも鳴り止まないほど。 今日も観劇後はシノワ渋谷で席をとってもらって、オペラで高まった気持ちを極上のワインで満たす贅沢な時間を過ごすことにした。この日は大半が同じオペラ帰りの客という感じで、さりげなくソムリエに頼んで、バックに今聞いた曲を流してもらったりして。今日は大好きなシャンボール・ミュジニー、G.バルトとH.リニエのものをいただき、今年一番の特別な体験の余韻を、美しい花のように開いていくワインの香りとともにゆっくり楽しみました。 ![]()
by keidd
| 2007-09-08 09:42
| 東京音楽
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